小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

戦慄の〈帝銀事件〉、真実の全貌に迫る！

昭和11年、満州事変後の日本。東京・赤坂の帝国銀行本店で、青酸ガスを用いた前代未聞の集団殺傷事件が発生。犯人は謎に包まれたまま、社会に深い闇を落とした。本書『小説 帝銀事件 新装版』は、ノンフィクション作家・山崎朋子による、綿密な取材と緻密な描写で事件の全貌に迫る傑作。事件の背景、捜査の過程、そして残された謎を克明に描き出し、読者に強烈な衝撃と、二度と繰り返してはならない歴史の教訓を与えてくれる。 当時の人々の生活、社会情勢、そして事件の残酷さと不可解さをリアルに体感できる。単なる事件記録にとどまらず、昭和という時代の混沌と人間の業を深くえぐり出す、圧倒的な重厚さと読み応えを持つ一冊。歴史ミステリーとして、また社会派小説としても、高い評価を得ている本作は、新装版として装いを新たに読者の手に届く。過去を理解し、未来を築くために、今こそ読むべき一冊と言えるだろう。事件の真相に迫りながら、時代背景や社会構造、人間の深層心理までを鋭く抉る著者の筆力に圧倒されるだろう。

綿密な取材に基づいたリアルな描写

本書は、膨大な資料と関係者への取材に基づいて執筆されているため、事件当時の状況や人々の心理、社会情勢が極めてリアルに描かれています。単なる事件の羅列ではなく、当時の日本社会の姿を肌で感じ取れるような臨場感あふれる描写が特徴です。

謎解き要素と社会派小説としての魅力

帝銀事件は、犯人逮捕後も多くの謎を残した事件として知られています。本書は、事件の真相解明だけでなく、事件を通して昭和時代の日本社会の闇や矛盾を浮き彫りにし、社会派小説としての側面も持ち合わせています。歴史ミステリーとしても、社会風刺小説としても楽しめる一冊です。

新装版ならではの読みやすさ

今回の新装版では、より読みやすいように本文のレイアウトや文字サイズなどが調整されています。また、カバーデザインも新しくなり、手に取りやすい装丁となっています。過去の版を読まれた方も、改めて手に取っていただきやすい一冊です。